##05 "I Will Avenge You!"
区切りというものは大事なもので、49日にはご家族の厚意で参列させていただいたことに感謝するほかはない。何か手を動かさなければと始めたゲームもあれば、巷のウィルス騒動でのリモート出勤、毎日手を焼く愚息共と、雑多な日常に忙殺もされれば、友人たちと始めたTerraria1.4も先日決着を迎え、自分の中での整理というものは大分消化した感がある。
GuildWarsというタイトルがあった。βでプレイした時、自分はあまり良い評価ではなかったが、URは「次はこれやるわ」と言った。当時のblogを見てみると、2006年1月に開始し3月末にはほかの事を始めてるので、自分はあまりプレイしなかったんだが、URはGvG(団体戦、8人vs8人で戦う)をやっていたようだった。
「やっていたようだった」と言うのは、自分がプレイしていなかった(FFXI廃人と化していた)ことに起因しているわけだが、時期もよく覚えておらず、記憶が曖昧だという話でもある。当時読んだような気もするが、今はネットを探しても(情報の不足も相まって)対象の記事が出てこない。せいぜいが某2chのログで、晒し板に名前(ゲーム内のキャラ名)が少し出ている程度だ。
ともかく、URは「そういやさー、こないだね?」みたいな軽めのノリで、GvGで世界大会か何かに参加し、ヨーロッパのチームと戦いグラフィックボードを貰った、みたいな話をした。「えっ、それは世界大会ってこと?」「世界は強かった?」という問いに(これは間違いなく覚えているが)「ping400とか無理でしょ」と笑って答えた。あとはどんなゲームでもあるようなギルド間のいざこざとか、人間関係がめんどくさいだとか、そういう話を聞いた。
自分はどちらかと言えばカジュアルゲーマーで、競技性の強いタイトルはあまり好まず、ランクマッチなんかも億劫で手が出ない。URはと言えば負けん気が強く、競技指向は強かった。この10年で対人のゲームをプレイする中で、幾度かはあの時の「ping400よりはマシ」という台詞を聞いた気はする。近年だとoverwatchをやっていたが、あれはカジュアルだったんだろうか。いや、きっとあの時のping400に復讐したかったのだ。技術向上で改善されたネット回線と、未だ見ぬとびきりのチームとで。
仲間ではあったが、チームには成れなかった。生前「合わないからしゃーない」とは言ってくれていたが、その点は墓参りの時にでも詫びたいと思う。
##04 いつでも正面から
10数年の付き合いの中、”相手のギリギリ食指の範囲で、お互いが推すアニメをトレードして鑑賞する”という遊びを幾度かしていた時期を経て、たまには同じの同時に観ようぜみたいなノリで『スカイ・クロラ』を観に行ったことがある。丁度京アニのCLANNADが放映してた時期で、「フウコよ」という台詞だけでゲタゲタ笑い、犬が出ねーな、鳥も出ねーな、押井映画なのに眠くならんなぁ、みたいな感想しか出なかった。UR 曰く「誰かと見に行く映画は概ね外れるんだ」とか、そんなようなことを言っていた。
2017年に『打ち上げ花火、下から見るか、横から見るか』というアニメ映画があって、Y氏と UR で観に行ったらしい。自分はその時期地元にはおらず、これは後から聞いた話だ。UR は事前に賛否ある前提で鑑賞し、概ね気に入ったらしい。ところがY氏はかなり扱下ろしたらしく、それで幾らか遣り合ったとかで、そんなようなあらましの話を投げてきた。こちらが聞き手になることは、まぁ珍しい事だった。
「・・・みてーな事があってさぁ」
「まぁ解らんでもない。そもそもURのアニメ眼はおかしい」
「おかしくねーだろ」
「いやぁムネモシュネの娘たちとか月詠とか、ふつう推してこない」
「観てたじゃねーか」
「観たよそりゃあ。そもそもトレードしたじゃんか」
「ああ、まりんとメランはきつかったわ」
「そういやアレだ、フリクリやるじゃん!来年だけど観に行こうぜ」
「せやな」
そんな風にざっくりした約束をした。
翌年の夏前に地元に戻った。約束どうり劇場へフリクリを観に行った。オルタナもプログレも観た。どちらの帰り道も反省会だった。
両方観終わってから聞いたのだが、UR はこの作品が(俺は忙しくてその手の話題を全然知らなかったのだが)分裂したスタッフや声優陣のいざこざがあった事を知っていて、駄目で元々と付き合ってくれていたらしかったが、「まさかアトモスクが出て来てこんなに盛り上がらんとは、思いもしなかったわ」と笑っていた。その後は"作品への熱量はファンのものか制作陣のものか"みたいな話をしてたと思う。
今年は『打ち上げ花火』でもを見てみるか。
##03 journey's end
discordのlogを眺めたり、古いHDDにskypeのlogが無いか漁ったりしてみたが「何か書かねば」という気持ちだけしかなく、思い出らしい思い出が出てこない。例えば夜中に呼び出して飯を食いに行っただとか、勢い寺山を登りに行っただとか、ネコミミモードを聞きながらトレハンしただとか、そいうくだらない話しか思い出せない。
その日、discordで友人と会話をしてるとURが入ってきた。日が変わる間際か、そんなタイミングだったと思う。3月末にはdiablo3のシーズン20を共にプレイしてたが、自分の仕事が忙しかったため自然終了してしまっていた。その件について「ゆるしてヒヤシンス」と軽く謝罪すると「まぁいつもの事だから別にいいわ」みたいに流されたので、じゃあ今度はテラリアをやろうぜ、大型パッチの最高難易度をやろうぜという話になった。
「お前らexpertやってねーだろ、あれ相当きつかったぞ、俺はクリアしたが」
「知らんわ。やるなら難しい方が面白かろう」
「別に良いけどさぁ、どうせいつもパターンだろ」
そう、"お約束"なのだ。誰かが新しいゲームを始める、忙しかったり飽きたりして足を止めてしまうのは解っている。なのに毎回律義に UR は最初から付き合って、最後まで残った。少し誇張して言えば、あれは誰かの居場所を残すためだったんだと思う。そういう共感力というか、面倒見の良さはあった。
Terraria をやろう。Master をクリアしてやろう。
最後の会話を交わしたあの日、始めてしまった旅を終わらせるために。
##02 駆け引きの行方
交渉事が好きなようだった。
ネットゲーム、ボードゲームはもちろん、購入する物の値引きや交換のレート。直接交渉が無理でも、労力が折り合うポイントを模索することを好んでたように思える。
「家にソーラーパネルの営業がきてさぁ、あれは一人暮らしの老人とか買っちゃうわ。すげー調べて、逐一質問して、ようやく追い返したわ」
いつだったか、そんな話を聞かされた。
交渉が好きというよりは、立ち回りや駆け引きを楽しんでいたのだろうと思う。
2006年に地元で magic the gathering の グランプリ が開催された。
この GP はチーム戦で、3人のプレイヤーと3つのデッキが必要だった。 Y氏 というゲーム仲間が「面白そうだからやろうぜ」と音頭を取ったので、暇を持て余した自分と UR の3人で挑むことになった。もともと使い慣れた色を選んだ結果、Y氏がオルゾフ・ビート?、自分がZoo、UR がイゼット・トロン?を持つことになった。大会の数日前か直前だったか UR が「ミラーで絶対刺さるから辰正入れたい。メイン2、サイド2」そんなような話をした。各々がデッキ調整をしていたので反対する道理も無かった。
結果としては4勝3敗(だったかな)で、決勝には残れなかった。チーム戦という環境を上手く使えなかった点、ミラーマッチの対応が難しかった点など反省の要素はあったが、デッキ調整やテストプレイに1ヵ月ほど打ち込んだ充足感はあった。
何戦目だったか。数ターンで勝敗が着いたので UR の試合を後ろから見ていた。パーミッションは殊更時間がかかるため、まだ1本目だった。"龍の牙、辰正"が墓地に1枚、場に1枚あるのが見える。「1枚割れて、返しで出したんだな」誰もが思い描くシナリオだ、問題ない。だが次の瞬間、私は目を疑った。
UR の手札には"辰正"が握られていたのだ。確か直前に「メイン2、サイド2」と言っていたやつだ。だがこれは一本目のデュエルだ。サイドボードのカードが、メインで入っているわけがない。勢い、そのまま UR がデュエルを制した。
対戦相手が「辰正メイン4とか無理だわ」とチームメイトに漏らしたのを覚えてる。UR が「いやー辰正、ミラーで刺さるんですよね。昨日のテストプレイで、イゼットは真ん中に座る傾向が多かったんで最初から入れるようにしたんです」とかなんとか、めっちゃ親しい友人のごとく会話してたが、全部嘘だ。前の試合がミラーだったのでサイドから抜き忘れていたのだ。試合後、そのように報告してきて「あぶねー、相手が緩くて助かった」とか言ってた。デュエルも試合後も、うまく立ち回れたので嬉しそうだった。
あれは流石に、相手も気づいていたって。
##01 看板に偽りあり
どういう経路で知り合ったのか、そこがハッキリ思い出せない。
ボードゲーム仲間の友人、みたいなポジションで何度か顔を会わせるうちにPCゲームで遊ぶようになったんだと思う。
2000年以前に発売された AoE や UT をプレイしていた頃。発売から若干遅れて流行るなんてのは珍しくもなく、今ほど情報が飛び交う速度は速くなく、トレンドのスパンもまだ長かった時代だ。今は廃れたメッセンジャー上で、彼はURと名乗っていた。
「ところでURって、どういう意味なんだ」
「これはね Ultra Rush、Ultralisk Rush の略」
「うるとらりすくらっしゅ」
「あれ、SC 知らんのか」
ほどなくして、身内で SC が(少しだけ)流行った。
私が UR とプレイして Ultralisk Rush を見たのは、忘れもしない、ある程度ゲームに馴染んだので「対戦、よろしくお願いします」と挑んだ、最初の数回だけだ。
自分の名前にするくらいだから、さも得意な戦法なんだろうと思い込んでいたが、残りは mutalisk が飛んでくるか、酷いときはzargring が押し寄せた。もっと言えば medic marine で駆逐されたり、たった2体の zealot で制圧されたりもした。流石に、どういう事なのか気になって聞いたことがある。
「Ultralisk Rushはやらないのか?」
「30分くらいかかるからな。犬が走って10分で終われば、同じ時間で3回遊べてお得」
お蔭様で、1週間も経たずに Science Vessel に蹂躙されることになった。
ゲームをするうえで、彼は自身の効率や合理性を好んだ。立ち止まる時間を惜しんだ。反省は一瞬で終わらせる、過ぎたことはあまり口にはせず、次のプランを練る。そういう人格だったので、多少なりとも衝突はした。ネットゲームの他プレイヤとも同様だった。文字チャットの頃からもそうだったし、ボイスチャット(この言い方が"古い"と彼は笑った)で直接コミュニケーションが図れるようになり、傾向は顕著だったと思う。
罵りあう事すらできないのが、今はまだ辛い。
##00
2020年4月16日。
UR 或いは Adoor を名乗った20年来の友人は、唐突にこの世を去った。
4月頭まで diablo3 を一緒にプレイし、「teraria の Journey'End も出るのだから、masterでやらなくちゃならんね」なんて会話した、僅か四日後の訃報だった。
検死結果は出血性の脳卒中。詳しくは聞いていないが、デスクに突っ伏した状態で発見されたそうだ。
「もう少しゲームに時間を割けてたら」だとか「何時もみたいにダベってたら助けられたのかも」だとか。思うところを口にしてはみたが、話を聞いた友人達は皆否定してくれた。それで「ああ、人間は、こうもあっさりと居なくなってしまうものなのだな」と冷静に成れもした。
通夜に出向き、葬儀にも出席した。ご家族には「PCを切る前に、彼を知る人達のためにtwitterで告知をしてくれ」と依頼をした。今はまだdiscordにloginしたままだが、そのうちオフラインになるだろう。
付き合いが長いというのは難儀なもので、傷心ながら「何か印象に残ったエピソードでも書いて残してやろう」という気分になった。互いの趣味が近しかったのもあって、顔を見合わせた以上の時間をネット上で共有してきたのだから、それが義理だろう。悲しくはあるが、それ以上に楽しかった日々を記そう。長々続けても浮かばれないだろうから、命日から100日迄には終えようと思う。
はいそこ、ワニとか言わない。
#011
lvl37辺りからbootyとhighlandのquestをサクサクっとこなしつつ、Uldamanの巨人みたりScarlet Monasteryにquestないのについていったり、wlkのEnchanted Gold BloodRobe貰ったりしてたら、やったよ、やりましたよ、lvl40ですよ。周りがあくせくと金策するのを尻目に、話すだけでマウント貰えちゃったよ!いやーお金も貯めてたんですけど50g位しか溜まりませんでした。大体lvl44位までには普通にマウント買えるって話は、たしかにそんな感じはしました。
で、マウント乗ると移動が速いんですが、おかげで読み込みが間に合ってないらしい私のPCではポリゴンが欠けたりします。たまに自キャラが消えます。petもすぐ消えます。さすが邪悪な馬だ、飼いならすのは大変だなと無駄に感心しました。まぁ気にはしません。lvlingに関してはやっと半分、折り返し地点ってとこですかね。アカウント情報みたら6日分のfreeが付いてましたよ。当然ですが。
そろそろwlkもPvPをまじめにやっていこうと思います。ただまぁ、Soul Shardが鬱だなぁ。どうしたって使わないわけには行かないのにPvPじゃ回収しながら戦えない。自分は常に10個持ち歩いてるんですが、他のwlkは何個なんですかね。item拾いたいからあんまり持てないしなぁ。どうせ圧迫するならあらかじめ召喚したpetを封印して、次に呼び出すときはinstantで呼べるpet石?みたいのを作れれば便利なのになぁ。ポイポイカプセルじゃあないけど、wlkは何でも石にしておけるぜ、なんて方向でさらに味が増すんじゃないかな。面倒だから使わないですか、そうですか。